定期借地権とは

『定期借地権』は平成4年に施行された
借地借家法の中に導入された新しい『貸地システム』です

それまでの「一度貸したら戻らない」という状況を改め、土地の有効活用を促進するために
契約期間で土地が返ってくる定期借地権が誕生しました

定期借地権とは…

『定期借地権』は平成4年に施行された借地借家法の中に導入された新しい『貸地システム』です。

それまでの「一度貸したら戻らない」という状況を改め、土地の有効活用を促進するのがねらいです。

従来の借地権は、戦争に行った兵隊さんが帰ってきたときに家がなくなっていると困るので、借地人に有利な権利を与えていたのです。

しかしながら、現在のように住宅戸数が世帯数を上回ってる状況において、土地を一度貸すと貸主が自分で住むといった理由でないと莫大な立退き料を支払わなければ返してもらえないという考え方が今の時代に合わなくなってきたのです。

そこで定められた契約期間で土地が返ってくる定期借地権が平成4年に誕生したのです。

借地権の種類

借地権には2つの種類があります。
一つは期間が来れば返ってくる定期借地権、もう一つが昔からある一度貸したら返してもらうのが困難な普通借地権です。

定期借地権の中には3つの種類があります。土地を住宅として貸す場合は一般定期借地権と建物譲渡特約付借地権が利用できます。
土地の最適な用途や地主様の目的に応じてどの借地権を利用するかを判断することになります。

定期借地権 普通借地権
一般定期借地権 事業用定期借地権 建物譲渡特約付借地権
用途 制限なし 事業用に限る 制限なし 制限なし
期間 50年以上 10年以上50年未満 30年以上 30年以上
契約更新 なし なし なし あり
建物再築による期間の延長 なし なし なし あり
建物買取請求権 なし なし あり あり
契約方式 書面による 公正証書 自由 自由

定期借地権のメリット

定期借地権により、土地の貸借が円滑に行われることが期待できます。

平成5年から供給が始まった定期借地権付住宅は、平成20年までで全国で70,492戸となりました。
(一戸建35,826戸マンション34,666戸が供給されています。)[国土交通省「全国定期借地権付住宅の供給実態調査]

土地オーナー様

土地を貸したくても、返してもらうのに莫大なお金を支払うなら貸さないほうがまし!といったことが解消されます。

土地を借りる人

住宅を持ちたい人にとっては従来より少ない負担で住宅取得が可能になります。事業用で土地を借りたい人にとっては、貸地が増えることでより事業採算性の良い土地を借りる選択肢が増えます。

定期借地権6つのポイント

  1. POINT 1固定資産税等が下がります

    更地の場合と比べて、固定資産税が6分の1、都市計画税が3分の1になります。(負担調整がない場合)

  2. POINT 2土地は必ず戻ります

    借地人には契約更新、期間延長、建物買取の請求権がありませんので、借地終了時には更地で返還されます。

  3. POINT 3相続税の評価が下がります

    更地の場合と比べて、相続税の評価が55~75%に下がります。(地域により異なります)

  4. POINT 4収入が長期安定しています

    50年間毎月安定した収入があります。地代改定は固定資産税や物価水準を基準としたルールを決めています。

  5. POINT 5借入金は必要ありません

    土地を貸すだけですので、賃貸マンション経営のように借金をする必要ありません。

  6. POINT 6建物の維持管理の心配はありません

    建物は借地人の所有ですので賃貸マンション経営のように、維持管理などの負担はありません。

地主様の目的

その土地有効活用、地主様のニーズに合ってますか?

  • まとまった資金が必要

    賃貸マンションが大規模な修繕を必要。

  • 農業が継続できない

    畑として置いてあるが作物をつくっていない。

  • 土地を残したい

    この土地は孫に残してやりたい。

  • 土地の維持保全のため

    空き地にしてあるのでゴミを捨てられて困る。

  • 月々の収入を得たい

    入退去で不安定な家賃収入とは別に安定した収入が欲しい。

  • 固定資産税等の軽減

    月極駐車場の契約が減ってきて固定資産税を払うとお金が残らない。

  • 相続税対策が必要

    賃貸マンションを建てると借入金が大きすぎる。

  • その他

    区画整理で宅地をもらったが活用に困っている。

定期借地権で土地活用を行った地主様の当初の悩み

  • 相続税対策のために借入れをして、賃貸マンション経営をしている。
  • 他にも遊休地があり、固定資産税が高い。
  • 借入れはもう増やしたくない。土地は売りたくない。

土地の最適用途

  • 住宅系

    • マンション(ファミリー・ワンルーム)
    • 戸建て
    • テラスハウス
  • 商業系

    • 店舗
    • オフィス
    • コンビニ
  • 工業系

    • 工場
    • 倉庫

どれが向くのか?

現在だけでなく将来のことも考えて判断する必要があるのではないでしょうか?

  • 駅から10分のところに賃貸マンションを建てたら、駅から5分のところに新しく賃貸マンションが建って、入居者を持って行かれた…
  • コンビニに貸していたのに急に撤去されて賃料が全く入ってこなくなった…

リスク分散

投資の三原則

投資の代表『株式投資』。株式投資では収益性・安全性・流動性を考慮することが三原則だと言われています。土地活用も投資ですのでこれと同じことが当てはまります。
土地活用では『収益性』『安定性』『換金性』が三原則と言えます。
ひとつひとつを組み合わせてリスク分散またはひとつの活用でリスク分散を行います。

「収益性」賃貸店舗 賃貸マンション 賃貸戸建 等価交換。「安定性」定期借地権。「換金性」貸駐車場 売却。
メリット デメリット
賃貸マンション
  • 収益性が高い
  • 固定資産税の軽減がある
  • 投下資金が大きい
  • 空室・賃料低下のリスクがある
賃貸戸建(テラスハウス)
  • マンション建設に比べて投下資金が少ない
  • 差別化を図りやすく集客力が比較的高い
  • マンションに比べて収益の総額が少ない
貸駐車場
  • 投下資金が少ない
  • 売却しやすい
  • 固定資産税の軽減がない
定期借地権
  • 土地を貸すだけなので投下資金が要らない
  • 長期に渡り安定収益が見込める
  • 固定資産税の軽減が受けられる
  • 売却せずにまとまった資金が得られる
  • 収入が少ない
賃貸店舗・事務所
  • 住宅と比べて高い賃料が見込める
  • 単独で貸す場合、退去すると賃料収入がゼロになる
  • 住宅より成立するエリアが限定される
  • 固定資産税の軽減がない
売却
  • まとまった資金が得られる
  • 近所の目が気になる
  • 高い譲渡税を支払わなければならない
等価交換
  • 土地を提供するだけで建築資金の負担なく償却資産を持てる
  • 近所の目が気になる
  • 土地は共有持分となり将来自分の意思だけでの活用はできない